美しい女のひと

 5 谷村さんは、それから四五日は、学校にも出ないで毎日呆やりしていました。 二階で、一寸誰かあばれて埃が落ちても、谷村さんは狂人のように口を開けて、その埃を吸うのです。 美しい女のひとは一度も谷村さんを訪ねてくれようとはしませんでした。洗面所で、あの翌日会つた時も女のひとは手をしやぼん[#「し...

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台所の方では

 台所の方では、何事があつたのか、女達がガヤガヤと笑つていました。 谷村さんは医学上から見ても、あのように太つた女は好きではありませんでしたので、卵の親切を受けるとどうしてよいものか、胸がコトコト鳴りました。 卵を食べないで、此のまゝ返してやれば、あの女が怒るだろうし、谷村さんはその二ツの小さい...

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清修館へ越して二度目の夕飯です

 谷村さんは髪に練り油をつけながら、また肩で笑つて見せました。

 4 清修館へ越して二度目の夕飯です。めじまぐろの焼いたのに、油揚げと大根の汁と、葱蒟蒻の味噌なます[#「なます」に傍点]、谷村さんはどれも好物ではありませんでしたが、太つちよの下女の持つて来るお櫃が待ち切れないで、そつと、味噌なます...

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